【行政書士が解説】終活でまず書くべき「エンディングノート」とは?家族が助かる記入ポイント
終活という言葉を耳にする機会が増えましたが、「何から始めればいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
終活にはさまざまな準備がありますが、最初の一歩として取り組みやすいのが「エンディングノート」です。
遺言書のような厳格なルールや手続きが必要なものではなく、自分の情報や希望を整理するためのノートなので、誰でも気軽に書き始めることができます。
この記事では、エンディングノートとはどのようなものか、そして実際に書いておくと「家族が助かるポイント」について、行政書士の視点から解説します。
■エンディングノートとは?
エンディングノートとは、自分の情報や希望を家族に伝えるための記録です。
例えば次のような内容を書いておくことができます。 ・基本情報(本籍地、家族構成など) ・財産の情報(預貯金、不動産など) ・医療や介護についての希望 ・葬儀やお墓の希望 ・家族へのメッセージ
後述しますが、遺言書とは異なり、エンディングノートに「法的効力」はありません。しかし、残された家族にとって非常に重要な情報源になります。
相続の手続きでは、「どこに何があるのかわからない」という状況に陥ることが少なくありません。エンディングノートがあることで、家族が情報を把握しやすくなり、その後の負担を大きく減らすことができます。
■終活の相談でよくあるケース
私たち専門家への終活相談では、次のようなお悩みをよく耳にします。
・銀行口座がいくつあるのか把握しきれていない ・保険の契約内容が家族に伝わっていない ・重要書類の保管場所がわからない ・ネット銀行や証券口座の存在を家族が知らない
特に最近は、ネット銀行や証券口座などのオンラインサービス、スマートフォンのパスコードやサブスクリプション(継続課金)など、「目に見えないデジタル資産・情報」を利用する方が増えています。これらは通帳や郵便物が届かないため、家族が気づかないままになってしまうケースが多発しています。
エンディングノートにすべてを完璧に書き込む必要はありませんが、「どこにどんな情報があるか」を整理しておくだけでも、いざという時に大きな助けとなります。
■エンディングノートに書いておくとよい項目
エンディングノートには決まった書き方はありませんが、次のような内容を整理しておくと実用的です。
①基本情報 本籍地や家族構成などの情報です。相続の手続きでは戸籍を集める必要があるため、家族関係が整理されていると手続きがスムーズに進みます。
②財産・契約の情報 預金口座、不動産、保険、証券口座などの情報です。詳細な残高まで書かなくても、「どこの銀行を利用しているか」「どこの保険会社と契約しているか」のメモがあるだけで十分役立ちます。
③重要書類の保管場所 通帳、印鑑、年金手帳、保険証券、不動産の権利書などの保管場所を書いておきましょう。
④医療や介護の希望 延命治療の希望や、入所したい介護施設の希望など、自分自身で意思表示ができなくなった時のために書いておくと、ご家族が迷わずに決断できます。
⑤ペットについての希望 もしペットを飼っている場合は、「誰に預けたいか」「かかりつけの動物病院はどこか」なども書いておくと安心です。
⑥葬儀やお墓の希望 葬儀の形式(家族葬など)やお墓についての考え方を書いておきましょう。
■「遺言書」との違いは?
エンディングノートと遺言書は似ているように見えますが、明確な役割の違いがあります。
【エンディングノート】 ・法的効力はない ・自由な内容を書ける(思いや希望を伝えるもの)
【遺言書】 ・法律上の強い効力がある(書き方にも厳格なルールがある) ・財産の「分け方」を法的に指定できる
終活では、まず「エンディングノート」で情報とご自身の気持ちを整理し、その中で『この財産は絶対にこの人に譲りたい』といった法的な効力が必要な部分について、「遺言書」の作成を検討する、というステップを踏むのがおすすめです。
■終活は少しずつ進めれば大丈夫
終活という言葉を聞くと、すべてを一度に完璧に準備しなければならないように感じるかもしれません。
しかし実際には、エンディングノートを1ページ書き始めるだけでも十分な第一歩になります。思いついたときに少しずつ書き足していく形でも全く問題ありません。自分の情報を整理しておくことが、将来のご自身の安心、そしてご家族への思いやりにつながります。
■まとめ
終活は、単なる「人生の終わりの準備」ではなく、ご家族が困らないように、そしてご自身がこれからの人生を安心して楽しむための前向きな活動です。
エンディングノートは特別な手続きが必要なく、誰でも始めやすい終活の方法です。まずはご自身の情報を書き出すことから、少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。
初回相談は無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。
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